1−1|信頼されるリーダーとは

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この記事では、次のことがわかります。

  • 「信頼されるリーダー」とは、言葉や人柄に偽りがなく、チーム員から頼りにされる指導者であること。
  • 信頼されるリーダーになるためには、小手先のテクニックではなく、チーム員を人として尊重し、思いやりを持つことが重要であること。
  • 筆者の自衛隊時代の経験から、チーム員を尊重し、思いやりを持つことの重要性と、それができていなかったことによる失敗談。
  • 現代の価値観の変化を踏まえ、チーム員との信頼関係を築くための第一歩。

信頼されるリーダー

初回のテーマは「信頼されるリーダー」についてです。

一口に「信頼されるリーダー」と言っても、具体的にどのようなリーダーを指すのでしょうか? 今回は「信頼されるリーダー」について掘り下げて考えてみたいと思います。

自衛隊時代の経験から考える「信頼されるリーダー」

現役時代、私が目指していたのは「最後の瞬間を共にしても良いと思えるリーダー」でした。

「最後の瞬間」という言葉に、驚かれた方もいるかもしれません。これは、生命の危険を伴う任務において、仲間と行動を共にする自衛隊の特性を踏まえた考え方です。

人は、いつ、どこで、どのように生命を終えるか予測できません。最期の瞬間が、家族といる時なのか、仕事中なのかも選べません。

だからこそ、私は職場でチーム員には笑顔でいてほしいと願っていました。

この考え方は、自衛隊に限ったことではありません。民間企業や他の公務員の方々にも、危険と隣り合わせの仕事は多く存在します。

そのような状況で、少なくとも「リーダーが私で良かった。」と思ってもらいたいと考えたのです。


「信頼されるリーダー」の定義

ここで、改めて「信頼されるリーダー」という言葉の意味を考えてみましょう。

広辞苑によると「信頼」とは「信じて頼りにすること」とあります。これを分解すると、

・信じる: 相手の言葉や人柄に偽りがないこと
・頼りにする: 助けてくれる、望みを叶えてくれると期待すること

となります。

そして「リーダー」は「指導者、先導者、統率者など、組織や集団を率いる役割の人」を指します。(※)

※ このnoteでは、上司という表現を使用せず、リーダーと表現します。

これらをまとめると「言葉や人柄に偽りがなく、頼りにできる職務上の指導者、先導者」と言えるでしょう。

なんだか、とてもハードルが高いように感じますね。

しかし、チーム員全員にそう思ってもらおうとする必要はありません。それは神様にしかできないことです。大切なのは、信頼できるリーダーとは何かを認識することです

「信頼されるリーダー」への第一歩

それでは、「信頼されるリーダー」になるための第一歩をお伝えします。

「チーム員となる人を尊重し、思いやりを持つ」

リーダーとしてのテクニックや伝え方のコツはたくさんありますが、最も重要なのは「チーム員となる人を尊重し、思いやりを持つ」ことです。

戦後、高度経済期の日本では、終身雇用が当たり前、安定した給料を払ってくれる職場が人気でした。

しかし近年、多様な価値観が認められる社会になり、若い世代を中心に「自分の個性や価値観」を大切にする意識が強くなっています。

そのような状況で、職場の権力を振るって命令したり、小手先のテクニックや表面的な振る舞いだけで、チーム員をコントロールしようとしても、すぐに見透かされてしまいます。

チーム員は「リーダーは、本当に自分に関心があるのか?」という視点で、リーダーを見定めているのです。

ですから、まずはチーム員となる人を尊重し、思いやりを持つ必要があると認識しましょう。

「尊重」と「思いやり」を持つための具体的な行動例

一言で「チーム員を尊重し、思いやりを持つ」と言っても、具体的にどのような行動のことでしょうか。以下に、いくつかの例を挙げます。あなたの普段の行動で、このような行動をチーム員に対しできているかを確認してみてください。

話を聞く:自分の話ばかりせずに、理解しようと努める。

同意して感謝する: 意見に同意する。仕事や気遣いに感謝する。

承認して評価する:良い部分を見つけ褒める。業績を確認し評価する。

サポートする:チーム員の業務や学びに関心を持つ、必要な情報を提供して支援する。チーム員の将来のキャリア目標を理解してアドバイスする。

個別面談:評価に係る定期的な個別面談などを通じて、業務の状況や課題を一緒に考える。

ワークライフバランスの尊重:チーム員のプライベートな時間を尊重し、過度な負担をかけない。

現役時代の失敗談

現役時代、私は次のような失敗を経験しました。

チーム員の話を聞かない
私が現役時代に、ある部隊のリーダーをしていました。そこに、一人の若いチーム員がいました。その隊員が、悩んでいる様子に気づいたため、対話を試みましたが、一向に話をしてもらえませんでした。実は、その隊員は、以前、私から受けた指導について「指導が一方的で、リーダー(私)のことを信頼できない。」と感じていたとのことでした。思い返すと、確かに私は、自分が学んできた仕事の方法をチーム員に指示するだけで、チーム員のやり方や考え方を聞くという姿勢に欠けていました。原因は、私自身にありました。

別の失敗談もあります。

チーム員のサポートができていない
私はリーダーとして、あるチーム員に仕事を指示していました。そのチーム員は、業務能力が優秀で、信頼していました。しかし、期限直前になっても一向に報告がないため、確認したところ思うように進捗していないことがわかりました。私は急遽、仕事を預かり、業務を処理することで、なんとか期限に間に合わせることができました。チーム員は、なんとか一人で業務を処理しようと頑張っていましたが、私は、信頼していると言いつつ、仕事を任せっきりで、チーム員の業務に関心を示さず、適切なタイミングでサポートができていませんでした。この原因も、私にありました。

これらのエピソードからわかるように、私はチーム員を「尊重し、思いやりを持つ」ことができていませんでした。

もし尊重していれば、指導は一方的なものではなく、対話を中心としたものになっていたはずです。思いやりがあれば、仕事の進捗状況や困り事を把握できていたはずです。

私は自分の仕事に一生懸命になるあまり、リーダーとして最も基本的な「心がけ」が不足していたように感じています。

多様なリーダーシップスタイルについて

今回、チーム員を尊重し、思いやりを持つことの重要性についてお話しました。

ただし、状況によっては、異なるリーダーシップスタイルも必要となる場合もあります。

例えば、緊急時には指示型のリーダーシップが有効ですし、経験豊富なチーム員には委任型のリーダーシップが適しているかもしれません。

大切なのは、リーダーとして信頼されるためには、「チーム員を尊重し、思いやりを持つ」ことを信念に、様々なリーダーシップのスタイルを実践してみることだと考えます。

まとめ

今回は「信頼されるリーダー」について、掘り下げて見ました。

「信頼されるリーダー」とは、言葉や人柄に偽りがなく、チーム員から頼りにされる指導者を目指す必要があります。

信頼されるリーダーになるためには、小手先のテクニックではなく、チーム員を人として尊重し、思いやりを持つことが重要です。

筆者の自衛隊時代の経験から、チーム員を尊重し、思いやりを持った行動ができないと、チーム員から信用されず、業務も円滑に進まない原因になります。

チーム員を尊重し、思いやりを持つための具体的行動は、「話を聞く」「同意して感謝する」「承認して評価する」「サポートする」「ワークライフバランスの尊重」などの行動が有効です。

皆さんが私と同じ経験をしないよう、多彩なリーダーシップの基本は、「チーム員を人として尊重し、思いやりを持つこと」が、大切です。

若いリーダーの方や熟練のリーダーの方も、本投稿を読んで、もう一度「信頼されるリーダー」について考え、ご自身の行動を見直して、さらに良い職場環境を作る、一助となれば非常に幸いです。

今回のお話はここまでです。それでは、また、お会いしましょう。

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